結婚式のプロフィールムービーを作成する際に利用できるお勧めのフリーソフトがいくつかあります。今回はフリーソフトの中でも少し何度がお高めのNicoVisualEffectsというソフトを使って高度な合成編集を行う方法についてご紹介しています。
このページの内容
このページでのプロフィールビデオ自作方法
Liveムービーメーカーに出来ない「重ねる」(合成)部分を、NiVEで補います
それぞれの強みを活かした無料の編集方法として・・・
スライドショーコメント部分はWindowsLiveムービーメーカーで。
自由なレイアウト、素材を活用したデザインの作成はNiVEで。
という手順でプロフィールビデオを自作します。
このページの手順では、以下のようなレイアウトを目指します。
編集の準備(各フリーウェアダウンロード)
必要ソフトとPluginのダウンロード(4項目)
まずは以下のリンクから進み、必要なソフトのダウンロードとインストールを行います。
1.WindowsLiveムービーメーカー・・・http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows-live/movie-maker#t1=overview
※ウィンドウズの方は無料でダウンロードと使用が可能です。
2.NIVE2(x86版)・・・http://nive.jp/NiVE2/
※このページではx86版を使っています。これに対しanyCPU版もありますが、以下のプラグインとバージョンをあわせていただければ、どちらでも結構です。どちらでもかまわないようであれば、このページと同様x86版をご利用ください。ダウンロードしたファイルをインストールする必要はなく、ダウンロードしたデータに含まれている「NicoVisualEffects.exe」を起動させることでNiVEが起動します。
3.DirectShow出力プラグイン・・・http://ux.getuploader.com/nive2plugin/download/56/NiVEDirectShowOutput-1.0.1.zip
※NiVEの標準レンダリングではAVI1.0での書き出しとなり、2.0GB以上のファイルを出力出来ません。DirectShowを使用してAVI2.0で出力することのできるこのプラグインを導入して、2.0GB以上のファイル出力を可能にします。
手順:ダウンロードしたプラグインファイルフォルダを開き、(x86版の方は)「DirectShowOutput_x86.dll」「Nive2DirectShowOutput.dll」の2点を、上記項目で別途ダウンロードした「NiVE2(x86版)」のフォルダ内「Plugins」フォルダにコピーするだけで、インストール完了です。
4.Any Video Converter・・・http://www.any-video-converter.com/jp/any-video-converter-free.php
※NiVE2には.mp4.movといった形式の動画ファイルを直接は読み込めません。また、ムービーメーカーから出力した.wmv形式の動画ファイルを読み込むと、フリーズすることが多々あります。そこで、NiVE2で推奨されている動画形式[AVI(Xvid)]に変換するため、このフリーソフトを使用します。[AVI(Xvid)]に変換することができれば、どのような変換ソフトでも結構です。
編集ステップ1 ~WindowsLiveムービーメーカーでスライドショーとコメントを作成~
1.まずWindowsLiveムービーメーカーでスライドショーを作成します
ムービーメーカーでの細かい手順はこちらのページなどでも公開されていますのでこのページでは省略させていただきます。
冒頭タイトル(新郎紹介タイトル)、新郎スライドショーパート、新婦紹介タイトル、新婦スライドショーパート、二人紹介タイトル、二人スライドショーパート、最後の挨拶タイトル・・・といった形で、基本的なスライドショーとそれにコメントを添えたものを作成します。
※必ず「プロジェクトの保存」を行っておきます。
ムービーメーカー単体での編集であればこの時点で完了・・・かもしれませんが、ここからさらにNiVEに移って編集を行うために、ここまで編集したプロジェクトを少し調整します。この時点でのプロジェクト全体の確実な保存をお勧めします。
各部分を別々に書き出していきます。
「スライドショーだけ」「コメントだけ」、加えて「背景に使う動画素材だけ」と、3つの要素に分けてバラバラに書き出していきます。
「スライドショー」「コメント」「背景」3つの動画を、後ほどNiVEで自由に配置して画面のレイアウトを作成するための、下準備といった形です。
「スライドショーだけ」の書き出し
せっかく入力したタイトルやコメントですが、いったん削除します。[Shift]+[マウスで選択]でコメントをまとめて選択、[Delete]で消します。
スライドショーだけになったプロジェクト全体を、一旦動画ファイルとしてパソコン内に出力します。
動画ファイル書き出し完了後、ムービーメーカー内左上の「左向きの矢印」([Ctrl]+[Z]でもOK)で、コメント削除前に戻します。
「コメントだけ」 の書き出し
今度はコメントだけを書き出したいのですが、写真を全て選択して削除してしまうと、写真素材とコメントがリンクしているため写真もコメントも全て消えてしまいます。
そこで、一旦「タイトル」を挿入して、タイトルに伴って自動的に挿入される「黒背景」の部分に、コメントをまとめて移動させます。
これで設定した時間を保ったまま「黒い背景にコメントだけ」の状態を自作することが出来ました。スライドショーの時と同様、この状態で一度動画として出力します。
「背景だけ」部分の作成と書き出し
NiVEに入る前に、背景として使う動画素材も、ある程度の長さを持つ1つのファイルにしておくとNiVEでの手順を減らすことが出来ます。
通常の背景用動画素材では長さは大体10-30秒程度です。しかし、プロフィールビデオ本編の背景として使用するとなると、5分から8分程度は必要になります。その長さに対応できる背景素材を、あらかじめムービーメーカー上で作成しておきます。
ループ素材を使用します
通常の背景素材を並べただけでは、最初のフレームと最後のフレームとで画面が異なるため、つなぎ目が非常に不自然になります。10-30秒に一度、ガクッと映像に不自然な動きが入ってしまいます。
このような時「ループ素材」を活用すると、つなぎ目が自然につながるため、大変スムーズに背景を自作することが出来ます。必要な時間分大量にコピー&ペースト(コピー後[Ctrl]+{V}で貼り付け)を繰り返します。
必要十分な長さが確保できたら、この「背景だけ」の状態で動画として出力します。
ここまでの手順でできたファイルの確認
2.出力できたファイルを一度確認します
現時点で、「スライドショーだけ」「コメントだけ」「背景だけ」の3つの動画ファイルが出力されているはずです。
個別に出力されたこれらの動画ファイルを、これからNiVEに読み込んで、レイアウトを作っていきます。
編集ステップ2 ~NiVEに読み込むため、出力した3点の動画ファイルを[AVI(Xvid)]に変換します~
3.フリーソフト[AnyVideoConverter]を使用して変換します
動画ファイルを読み込みます
AnyVideoConverter内に、Liveムービーメーカーで作成した3点の動画ファイル[wmvもしくはmp4形式のファイル]を読み込みます。
変換を行います
下記の画像の順番で設定していきます。(バージョンの違いで多少操作が異なるかもしれません)
[avi]形式を選択後、コーデックを[xvid]に指定します。設定が出来たら「変換」ボタンを押して変換をスタートさせます。ムービーメーカーで作成した動画の長さやお使いのパソコンの性能によって処理時間にバラつきがあるかもしれません。数分から数十分程度待ちます。
編集ステップ3 ~NiVEでの編集を開始します~
4.NiVEを起動し、新規プロジェクト作成、コンポジションの設定を行います。
新規プロジェクトを立ち上げ、使用するコンポジションの設定を行います。
今回は16:9の比率で作成するため「サイズを854×480」に、そして「フレームレート29.97」「長さはムービーメーカーで作成したスライドショーのおおよその時間」を入力しています。4:3で作られる方は「サイズを640×480」に指定してください。
変換済みのAviファイルを読み込みます
「ファイル」「読み込み」「StandardMediaInput」から進み、変換してパソコン内に出力してあった、3点のファイルを読み込みます。
タイムライン内に読み込みます
読み込まれた3つのファイルを「右クリック」から「タイムラインに追加」で下部のタイムライン内に読み込みます。
プレビューウィンドウ下部にある、位置・回転・サイズを調整できるツールを使用して、3つのファイルを少し調整してみてください。「各ファイルが重なっている」ということがよくわかります。
(レイヤー)
コメント用ファイルの黒色を除去します
まだこのままでは「コメントファイルの黒が邪魔」です。ここで黒い色を除去し、文字にも色を加えていきます。
一番大切なのは「チャンネル」から進むとある「UnMultiple」エフェクトです。黒い部分を自動的に透明(アルファ追加
)にしてくれます。
「色調補正」から進み「カラーリマップ」エフェクトを適用すると、ムービーメーカーで挿入したコメントの色を変更することができます。
※「アルファを変更」のチェックは外します
「スタイライズ」から進むとある「グロー」エフェクトは、光っている雰囲気を手軽に加えられるエフェクトです。
必須ではありません。
反射の表現を作ります
反射のような表現を自作する場合、様々アイデアがあるかと思います。
1つのアイデアとして「1.元ファイルを複製」「2.3DスイッチをいれX軸を基準に上下を反転」「3.マスク・透明度の調整で反射してるように見えるよう調整」という手順で行います。
下記の画像を参考に、スライドショーファイルを複製して、位置・回転・スケールの調整をおこなってください。
マスク・透明度の調整をして薄く反射してる雰囲気を作ります
考え方としては、反転した反射用のレイヤーの下部半分を「マスク」エフェクトで境目をぼかしながら消し、反射用レイヤーそのものの透明度を薄くし、反射のような質感にする、というものです。
背景動画素材の色や、スライドショー動画ファイルの元サイズによっても、パラメータの調整値は異なってくるはずです。画像内の数値は参考程度に、ご自身で作成したスライドショーに合う数値を視認しながら入力してください。
上からもキラキラ素材を重ねます
キラキラ素材を上から重ねることも可能です。飾りつけとして使用したい素材もAvi[xvid]に変換し、NiVE内に取り込みます。「レンダラ」から合成方法を「加算」や「スクリーン」に変更するだけで、重ねることができます。コメントの出現タイミングに合わせて、キラキラが出てくるタイミングの調整も行います。
イメージに近い画面構成が出来ました
必要に応じて調整を行います。
縦長の写真を多用していた場合、スライドショー本編レイヤーの横に黒い帯部分が出来ているかもしれません。「カラーキー」「UnMultiple」「レンダラ」からの演算合成などから、その部分を目立たなくすることも可能です。しっかりと抜くためにスライドショーレイヤーの複製を再度作成しスライド部分を白く調整してマットとして活用する、ということも出来るかもしれません。
また、タイトルやコメントはNiVE内でも作成して挿入することが可能です。さらに追加したい要素があれば、必要に応じて追加・調整を行ってください。NiVEそのものの使い方は様々なサイトで紹介されていますので、そちらも合わせてご参考にされてください。
書き出します
「ファイル」「書き出し」「DirectShow出力」から、レンダーキューパネルを呼び出します。「レンダリング設定」を押し「圧縮プログラム」内から出力に使用するコーデックを指定します。
BGMの調整などをまた別途ソフトで行う場合は、「非圧縮」で出力しておくと、画質の劣化なく出力が可能です(容量はとても大きくなります。5分でおおよそ10GB程度)。DirectShow出力プラグインを導入していれば、2GB以上のファイル出力が可能です。