存在しないはずのものが表示されてしまう？正しいプレビューの仕方

時々お問い合わせを頂戴する内容で、「存在しないはずのものがなぜかプレビュー画面に表示されてしまいます」という内容のものがあります。

お客様が実際にお問い合わせくださった具体的な質問の内容としては以下のようなものになります。

といった形で、本来存在しないはずのものがなぜかプレビュー画面に表示されてしまうという現象です。

この記事では、この「存在しないはずのものがなぜかプレビュー画面に表示されてしまう」という現象がなぜ起きるのかという点と、問題の解決方法についてご案内していきます。

存在しないものが表示されてしまう現象とは？

ここでは実際にお客様から頂戴したキャプチャ画像を確認してみましょう。

ムービーの終盤でゆっくりとフェードアウトしていくだけの部分で、なぜか「二人2」という仮の画像が表示されてしまって困っています。

この「二人2」という仮の画像はすでにコンポジションから削除済みなのに、なぜか画面上に表示されてしまっています。

同様の現象が発生してしまわれた方は、是非続きの記事をご参考に現象を解消されてください。

まずなぜこの問題が発生するのか、整理しておきましょう。

本件のような「特定の画面がなぜか関係のないところで表示されてしまう」という問題には、アフターエフェクトのキャッシュ機能が関係して起きることが大半です。

映像の出力やプレビューにはパソコンの処理待ち時間が多大に発生するため、あらかじめバックグラウンドでレンダリングを行っておき、プレビューをスムーズに行わせるためのキャッシュ機能がアフターエフェクトに搭載されています。

再生ボタンを押したらすぐに再生できるように、バックグラウンドでコツコツ映像を生成してくれている訳ですね。

しかし、この機能が古いキャッシュを誤ってそのまま表示していることで、表示が乱れるという現象が時々起こります。（パソコンのメモリ容量や処理能力なども関係するようですが、特定のAEバージョンでのみ起きるバグであることもあります）

古いキャッシュが更新されずにそのまま残ってしまい、変なタイミングで間違って表示されてしまっているという現象です。

この場合にはキャッシュのクリアを行うことで問題が解決することが多いです。（それでも解決しないバグを持っているバージョンのAEもありますが、その場合にはキャッシュ削除後に再起動が必要です。）

上部メニューから「編集＞キャッシュの消去＞すべてのメモリ＆ディスクキャッシュ」を選択することで、過去に生成されたキャッシュを全てクリアして改めてシーンを描画することができるようになります。

キャッシュの削除を行ったことで表示がリセットされて、正しい表示に切り替わりました。

誤って表示されてしまっているものが「新郎1」や「二人2」などの仮の画像である場合には、それらの仮の画像を全て削除してしまうことでも問題が解決する可能性があります。

冒頭のお客様の例で「元々入っていた二人2の写真は削除しています。」というケースがありましたが、そのケースではコンポジションの内部から削除しているのみでしたので、プロジェクトファイル内には仮の画像が残っている状態でした。

これに対してアフターエフェクトのプロジェクトファイルそのものから仮の写真を全て除去することも可能なのですが、仮の写真をプロジェクトから削除して存在そのものを完全に除去してしまうことで、その画像ファイルが関係した全てのシーンのキャッシュが自動的に再生成されて表示がもとに戻る可能性もあります。

この場合には、画面左側のプロジェクトパネルから仮写真のファイルを探して「Delete」キーで削除を行います。

仮写真は、確保されているスペースに順番や写真の種類が分かりやすいようにガイドとして挿入されているだけの、本当に仮のデータです。その為、全て「delete」キーで削除しても本編には影響ありません。

仮の写真を削除してみて、正常な画面に切り替わるかどうかを確認するというのも、もう一つの解決方法です。

プレビュー画面が何かおかしいな・・・と感じられたときには、キャッシュの全削除を行って正しい画面がしっかり表示されるようにしましょう。

大抵のケースでわざわざキャッシュを削除しなくても素材を置き換えたり変更を行った部分では自動的にキャッシュが再生成されますが、表示がおかしいと感じられた時には、キャッシュの削除を試してみましょう。