様々な動画編集ソフトを実際に使用してみて、プロフィールビデオを自作する手順には向いているのかどうか?という観点から考えています。今回はフリーソフトNicoVisualEffectsを使ってプロフィールビデオの基本的なスライドショーを作成しつつ、検証を行ってみます。
※最新バージョンとは機能や操作方法が異なっている可能性もあります。ご容赦ください。
NicoVisualEffectsでプロフィールムービーを自作する
確認したい点は以下のとおりです。(基本的なプロフィールビデオ作成ステップ)
- 写真の色補正は簡単にできるか?
- 写真にアニメーションをつけるのは簡単か?
- タイトルやコメントは簡単に挿入できるか?
- 飾りつけは簡単にできるか?(キラキラや背景など)
- BGMの長さ・音量等の処理は簡単か?
- 書き出し・DVD作成は簡単にできるか?
- 軽快に動作するか?
1.写真の色補正は簡単にできるか?—自由ですが、初心者には難しいかも・・・。
写真の色調補正が動画編集ソフト上でも出来ると、作業がスムーズに行きます。
- エフェクトから色調補正系の調整、他のエフェクトを使ってグローや白黒も可能です
- 初めて触れる方は、操作が独特に感じられて難しいかもしれません
Niveではエフェクトが多数用意されており、その値を細かく調整することが可能です。エフェクトの効果にもキーフレームを打つことが出来るので、「開始時点ではこのくらいのぼかしで、最後はもっともっとぼかす」とか「明るく・暗く」といった細かい指定を行うことが出来ます。
細かく色々調整できる点は、大きなメリットです。
2.写真にアニメーションをつけるのは簡単か?—自由ですが、手間がかかります。
「全画面表示でのズームしながらスライドショー」が手作りの方の一般的な手法となっておりますが、そのズームの動きを付けることは出来るのでしょうか?
- ズームは自由に動かせます・・・・がスライドショーには向いていないので、あえてNiveでスライドショー部分を作成する意味は無いと思います
一般の簡単な動画編集ソフトでは「ズーム」といったメニューがあるかと思いますが、Niveの場合は、「トランスフォーム」から「位置」や「スケール」にキーフレームを打っていくことで動作させます。
フラッシュやアフターエフェクトなどでキーフレームを打って動作させていく事を体験されたことのある方は、すんなりと動作させることが出来るかもしれませんが、「動画編集は全くの初心者です」という方には仕組みの理解の点から、もしかするとつまずかれるかもしれません。
加えて、レイヤー群にまとめてキーフレームを打つことが出来ないため、ズームなどの単純操作でも非常に時間がかかります。(キーフレームのコピー&ペーストはできました)
- Niveは基本的にこういうスライドショーを作成するためのソフトでは無いようなので、スライドショー部分は別のソフトの方が良いと思います。
3.タイトルやコメントは簡単に挿入できるか?—自由ですが、難しいかも・・・?
右クリックから「新規」「テキスト」でテキストの挿入が可能です。
- 自由な位置に
- 好きなタイミングで
挿入可能です。
しかしこの点も、挿入に若干手間がかかりますので、
- プロフィールビデオのコメントを付けていくのには向いていないかもしれません
プロフィールビデオの場合、写真とコメントがメインになる構成がほとんどですので、コメントを本当にたくさん入れることと思います。
「一度透明度からフェードの動きを付けたものを複製していき、コメントのみ後で差し替えていく」という手順にすることで手間を省くことは出来ますが、この点も「パソコン操作に慣れているかどうか」で、作業時間に大きな差が生じそうです。
4.飾りつけは簡単にできるか?(キラキラや背景など)—合成がしっかり出来ます!
プロフィールビデオを手作りする際にNiveを使用する大きなメリットは
- ムービーメーカーなどではできない、「素材の合成が高度に行える」
という点です。
プロフィールビデオにキラキラを重ねていくために強い機能として
- 動画のアルファチャンネルに対応している(背景が透明な素材ならそのまま何もしなくても合成可能)
- 「ブレンド」メニューから描画モード的な演算合成処理が行える(アルファなしでも合成可能)
という点があります。
比較的初心者の方々であっても、この点だけは頑張って利用したい機能です。
「ムービーメーカー」ではそもそも機能が無い、「デジカメdeムービーシアター」「PhotoMovieStudio」などのスライドショー作成ソフトでも全く出来ない。その合成のための機能が、Niveにはあるんですね。
プロフィールビデオのキラキラした装飾の場合、重ねるだけでとっても簡単なので、「スライドショーを作成した後に」飾りつけ用として、Niveの合成機能を使用されると良いと思います。
5.BGMの長さ・音量等の処理は簡単か?—自由です。キーフレーム処理です。
NiveではBGMの調整としては、音量設定のみになるようです。
この音量の設定もキーフレームで処理が可能なので、「10秒かけてゆっくりフェードアウト」「急に音量アップ」など、自由に音量調整が可能です。キーフレームに少し慣れておられる方は、特に問題無いと思います。
6.書き出し・DVD作成は簡単にできるか?—書き出し難しい?DVD不可。
「ファイル」「書き出し」「VFWOutput」から進み、レンダーキューパネル表示後に、「レンダリング設定」「圧縮設定」「圧縮プログラム」内からコーデックを指定・・・それから「開始」ボタンで書き出しが開始されます。
一般向けの比較的簡単な動画編集ソフトの場合ですと、「DVD用」とか「YouTube用」などで書き出し用のプリセットが分かりやすい名前で色々用意されていますので、書き出しで悩むことはそんなにないかと思います。
しかしNiveの場合は「画面サイズも自分で設定」「書き出しの際のコーデックも自分で指定」という事で、初心者の方には少し難しいかもしれません。
7.軽快に動作するか?
今回はWindows764bitで、Nive2のanycpu版を利用しました。ファイルの読み込み、レンダリングなどに時間がかかる気がしました。が、そこまで遅いーーと感じるほどのことはありませんでした。
プロフィールビデオ自作でこのソフトが向いている人は?
- 動画編集は何度かやったことあります(もしくは初めてですが・・・頑張ります!!)
- キラキラに飾りつけしたいです!!
という方にはお勧めです。
このソフトは、「機能が多いけど使い勝手はそれほど良くない」かなと、言えるかと思います。
ですが、無料で提供してくださっているのに、他の無料・安価な動画編集ソフトでは出来ないことがたくさん出来る、とても高機能なソフトウェアであることは確かです。
今後のバージョンアップ等でさらに使いやすくなっていくかもしれませんね。
プロフィールビデオ手作りのステップの中では、「素材の合成のみを行うソフト」として位置づけると、それぞれのソフトのいいところをうまく使えるのではないかなと思います。具体的には・・・
- ムービーメーカーなどスライドショーを簡単に作れるソフトでまずスライドショーを作成
- その後出来た動画をNiveに読み込んで、キラキラを上から合成する
- 出来た動画をさらに別途ソフトでDVDに焼く
というステップが、スムーズで良いのでは?と思いました。
プロフィールビデオ用のソフトを検討中の方に、ご参考にしていただければ幸いです。